短文
□願わくは
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ねぇ
―あっち行きなさいよ!!
ねぇってば
―どっか行けバケモノ!!
あのさあのさ
―うちの子に近寄らないで!!
違うんだ
―こっちに来るな!!
違うんだってば
―九尾のガキめ!!
オレの話を聞いてってば
―さっさとくたばれ!!
オレじゃないんだってば―――
ガバッ
窓から朝の光がさし込んでいる。
遠くで鳥が鳴いている声も聞こえた。
夢,か…。
久しぶりに見た。
今さら思い出したくもない,過去の記憶。
呼吸が荒い。
心臓もうるさいぐらいの音をたてている。
起き上がったは良いが,何もする気になれなかった。
夢に出てきた冷たい視線から逃れるように,立てた膝に顔を埋めた。