短文

□星空の下
1ページ/2ページ

オレが修業に出てから,もうすぐ1年になる。





エロ仙人は相変わらず,忍の三禁とかいうのを破ってばっかだけど,体術の特訓や幻術返しの修業,それに,大玉螺旋丸の修業を見てもらって,オレってば強くなってる気がする。














今は春だから,いろんなとこでサクラが咲いてる。





それを見るたびに思い出すんだ。





サクラちゃんのことを。





今頃サクラちゃんも,綱手のばあちゃんにいろいろ教わってんだろうな。















サクラちゃんにもらった医療パックは,もうなくなっちまった。





中身が空っぽになって,初めて気づいた。





ポーチの奥の方に,お守りが縫いつけてあったことに。





すっげー嬉しかった。





オレのこと,心配してくれてるんだって。















オレの記憶の中のサクラちゃんは,泣いてることが多い。





オレは,サクラちゃんには笑っていてほしいんだってば。





もう,サクラちゃんを泣かせたくね―んだってばよ。





だから,サクラちゃんとの約束を守るためにも,もっともっと強くならなきゃなんね―って思った。















今夜は,月も星もすっげーきれいだってばよ。





サクラちゃんも見てるかな。





それに,アイツも。





オレたちはきっと,離れてても繋がってる。





この星空を見てると,そんな気がすんだ。















――強くなるから





今,サクラちゃんの声が聞こえた気がした。








あとがき→
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ