神様の奇想曲(ハルヒ夢) 番外編〜古泉×俺〜
「古泉、話って何だ?」
ある日の放課後、俺は部室に行こうと思って立ち上がると、古泉が話がある、と言って俺のことをここまで引っ張ってきた。
「あの、ですね…」
「しかも体育館裏って…」
「その…聞いてくれますか?」
「…?おう」
何を?と言いたかったのだが、真剣な声を出されて、俺もつられる。
古泉はいったん間を置き、
「…僕は…あなたのことが…好き、なんです」
「……」
「あなたを一目見た、そのときから僕はあなたの虜になった」
「…」
「寝ても覚めても、あなたの笑顔や仕草を思い出してしまうのです」
「俺…」
「気持ち悪いと思ってくださってかまいません。いっそ僕は嫌われたほうが…」
「気持ち悪いなんて思えないよ」
俺が言葉を遮って言うと、困ったような嬉しいような顔を古泉はする。
「優しいのですね…でも僕に優しくしないで下さい…あなたのことを忘れられなくなる」
「…忘れなきゃいいじゃん」
「え…?」
驚いた顔の古泉に、俺は今までためていた思いを言おうと思う。
俺は息を大きく吸って、
「俺だって…お前のこと…好き、だよ」
そう言って俺は古泉にぶつかるようにして抱きつく。
すると、古泉も優しく俺を抱きしめてくれた。
「嬉しい、です…」
「…俺も」
顔を上げると古泉の顔がだんだん近づいてきて…
「おい、コラ、待て」
「何よ、今いいところなのに!」
俺は、ハルヒの読んでいる本を取り上げて、
「ハルヒ、こんな小説、どっからもって来たんだよ!」
「九組の女子が作ってくれたのよ」
「マジかよ…」
ちなみに今の状況を説明すると、
放課後部室に行くと珍しくハルヒが読書をしていた。
何を読んでいるのかと思い後ろから何気なく覗いてみたら…古泉×俺の小説だった、というわけだ。
「漫画もあるわよ」
ほら、とハルヒは表紙を見せてくれたのだが…
「うわー…俺、美化200パーセントされてるー」
古泉に抱きついている俺(美化200パーセント)がこっちを向いて笑っていた。
いまいましい、ああいまいましい、いまいましい!
あ、そうだ、あとで九組の女子に文句言ってやろう!
…追伸、今日も一日平和でした。
小説...現在1品(のちのち増やします)