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□※アキラ君の災難
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「はあ…はあ…くそっ…」
途中、あの猫とはぐれてしまった俺は一人アジトの中を逃げ回っていた。
「猫は無事か……?」
「その猫なら此処にいますよ」
「!?」
振り向くと俺の背後には同じ黒服たちが20人程立っていた。
しかもその中心にいるエリート組の一人が抱えているのは、
「嘘、だろ………」
あの猫だった。
「お前、何故そいつを!」
「いやあ、さっきこの猫が階段の所で眠っていたから捕獲した。それだけですよ。」
「眠っていた…だと!?」
「冗談と思うでしょう?無理もありませんよね。
はは…間抜けな猫だ」
有り得ない。こんな状況でいきなり眠る奴なんているものか。
こいつらが何かしたのか…!?
いや、それより猫を助けるのが先だ。
「お前ら、そいつをはな……っ!?」
殴りかかろうとしたら、左右から両腕を押さえられた。
「一人でこの人数に勝てると思ったんですか?」
「くっ…」
抵抗したくても押さえられて動けない状況に、どうしようもない苛立ちと不安がこみ上げてくる。