氷帝

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「もう!最初っからババあるじゃん!」


「ジローそれ言うたらババ抜き楽しくなくなるで」


「本当ですよ~僕が引くんですよ!」


仙子がいなかったら楽しいのかもしれない。


ううん。


仙子のおかげでここに来れたんだから...。


「おい、綾子!お前の番だぜ」

向日先輩の声で私の番に気づく。

「....」


私は黙って仙子からカードを引く。


「どうしたんだよ綾子」


宍戸先輩の視線を感じる。

見ちゃ駄目!!


「綾子、疲れたんだよね~」


「うん...」


「男嫌いなのにこんなに男いるしねっ」


「あーん?俺様もまとめられてんのか?」


「当たり前でしょ!!」


良かった。楽しそうにしてるみたい。

ホッと肩を撫で下ろす。


「おい、まだか?」


「あ、日吉。ごめんごめん」


慌てて日吉にカードを向ける。


カードを引いたあと無言でこっちを向いている...


「どしたの?」


「別に。」


「そ..そう。」
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