Etc

□あなたに恋をしました
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夜の11時。
彼に会ったのは、夏のとある夜だった。
その日は蘭達と久々にカラオケに行き、楽しいひと時を過ごした後の風呂上り頃だった。
火照った身体を冷やすために、部屋の窓を全開に開けていた。
カーテンがなびき、涼しい夜風がまだ熱い身体を冷やしてくれた。



「ふー涼しい!」




ベッドに寝転がり、テレビをつけて適当にチャンネルを変えていた。




「その様な格好でいたら、私のような狼に襲われてしまいますよ、碧亥嬢」




聞き覚えのあるような、ないような彼の声。
怪訝な瞳でそれを見ると、白いマジシャン怪盗キッドがそこにはいた。
しかもちゃっかり靴を脱いで部屋に堂々と居座っている。



「…は、はぁ?!か、怪盗キッドぉ?」



「ええ。…にしても、本当に綺麗なお身体だ。私に襲われたいのですか?」



「っ?!な、何言って…きゃっ」



耳元で囁くと大袈裟といわんばかりに高い声を出した。
そんな彼女の反応に、キッドの興奮は一気に高まった、が。



「…くす。可愛らしいお嬢様だ、今宵はここまでにしておきましょう。
…いつか貴女の心を盗みに頂きますよ、碧亥嬢」



「??」



すると彼はどこかへ旅去ってしまった。



(ど、どうして…私の名前を?)



でも、自分の中で彼に一目惚れしてしまったことを認めている自分が居る。



もしかしたら、
 

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