Story
□恋が叶いますように
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7月7日 七夕
一人暮らしのあたしは,いつも朝ギリギリに起きる。
あまり余裕がないのにも関わらず,ゆっくりと仕度していく。
7:30
部屋の鍵を閉めて車に向かう。
ここから職場まで10分ちょい。
狭い道を抜けると国道に出る。
先輩もこの道を通ってるからたまにすれ違ったり,一緒になる。
朝の通勤はそれが楽しみだったり…。
でも,その日は見かけもしなかった。
いつも早い先輩は一番乗りで既に車がとまっていた。
「(ぁれ,車にいてる)」
今来たとこなのか,先輩は車に乗っていた。
以前も同じ事があったけど,あたしの方が車から降りるのが早く,一緒に歩けなかった。
一緒に歩きたいあたしは,タイミングを見計らってみる。
「(ちょっと遅かったか…)」
車にロックをかける。
ほんのちょっと遅かった。
目の前に先輩がいる。
ピピッ
ロックの合図音がなる。
それと同時に先輩の足が止まった気がした。
「おはよう」
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