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□It's mine
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だんだんと日が沈んでくると同時に
気温も下がってきました。





「コート着てくるべきでしたね。
寒いです…」





考えてみれば
お財布も携帯もありません。





「うぅ〜
これは準備不足でしたね」





まぁ、飛び出してきたんですから
準備も何もありませんけどね。





ハルはせめてこの寒さをしのごうと
とりあえず近くのお店に入ろうとしました。
そうしたら…





「あれ?おまえ…」


「はひ?」





一人の男の人が近寄ってきました。





「俺だよ俺。
覚えてない?」


「ハルのお友達さんですか?」


「そうそう。
ハルのお友達さんだよ」





そうにっこりとその人は笑うと
ハルの腕を引きました。





「まさか、本当に忘れちゃったの?
ケントだよ?」


「ケント?」


「きっとあれだね、小さかったから忘れちゃったんだろうね」


「そうなんで…すかね?」


「そうそう。
久々に話がしたいな。
これから、どう?」





『知らねぇ奴には絶対ついてくんじゃねぇぞ!!』






不意によぎった隼人さんの言葉。






それに、なんだかさっきまでの怒りがまた込み上げてきて…





「いいですよ。
ハルもケントさんのこと、
思い出したいですし」





ハルはそう言って、
ケントさんの後についていきました。
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