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□かむほーむ
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「…で?
なんで泣いてたんだ?」


やっと落ち着いてきたのか、ハルはまだうっすら目に涙をためてるがしっかりした口調で言った。
相変わらず腕は抱きしめられたままだけどよ。


「夢を…見たんです」


「夢?」


「その夢の中で、ハルは今日みたいに獄寺さんが残業だったから先に家に帰ってご飯を作ってるんです」


「…?
なんか日常的な夢だな。
で、その夢がどうしたんだ?」


「ハルはご飯を作りながら、獄寺さんが帰ってきたらどんなこと話そうとか、お風呂もわかしとかなきゃとか、獄寺さんの帰りを楽しみに待ってるんです。
でも…」


「俺がいつまで経っても帰ってこねぇってか?」


「どれだけ待っても、連絡も何も入らない、獄寺さんも帰ってこない…」


「それで夢が覚めて俺がまだ帰ってきてねぇのに焦って、夢みてぇに帰ってこねぇんじゃねぇかって心配して、家の前で待ってた」


「…そうです」


「…やっぱおまえはアホ女だ」


10年経っても何も変わらねぇな。


「…どうせハルはアホですよ」


お?
本当に夢がこたえてるんだな。
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