‡気象短編:裏〜激裏‡

□Lie or truth...or??
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「泣かねぇよ…こんな事で。泣いてたまるか」


俺は拳をギュッと握って下唇を噛んだ。

分かってた筈だった。

俺がニノを思っている大きさと、ニノが俺を思ってくれてる大きさは全然違うんだって事。

ましてやニノは極度に淡泊で面倒臭がりな奴だから、色んな事を期待し過ぎた俺が単に我が儘なだけだったんだって。

頭ではそう言い聞かせてみるのに……心が納得してくれない。

力が入り過ぎて白さを増した拳に何か暖かいものが触れた。


「……相葉ちゃん?」


それは相葉ちゃんの手で。

俺の拳を上から優しく包み込んでいた。


「翔ちゃん……そんなに、ニノがいいの?」


ゆっくりと近付いてくる相葉ちゃんの顔。

その目は真剣そのもので、俺は少したじろいだ。


「あ…いば、ちゃん?どうしたの急に……」


今はここにニノも居ない。

メンバーすら居ない2人きりの楽屋で、“浮気”の演技をする必要なんてない筈なのに。

相葉ちゃんの動きは止まらない。


「ちょっ…相葉ちゃんっ」


後ろへ逃げようとした頭を逆に引き寄せられて、鼻から僅か1センチの距離に相葉ちゃんの顔があった。

驚いて目を見開いた俺の目の前で、相葉ちゃんは囁くように言葉を紡ぐ。


「俺じゃ…だめ?」

「は…?……相葉ちゃ、何言って……」

「俺だったら翔ちゃんを不安にさせたりしないよ?」

「な……、冗談…だよな?」


あり得ない告白。

だって……嘘だろ?
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