‡気象短編:裏〜激裏‡
□Lie or truth...or??
2ページ/14ページ
「泣かねぇよ…こんな事で。泣いてたまるか」
俺は拳をギュッと握って下唇を噛んだ。
分かってた筈だった。
俺がニノを思っている大きさと、ニノが俺を思ってくれてる大きさは全然違うんだって事。
ましてやニノは極度に淡泊で面倒臭がりな奴だから、色んな事を期待し過ぎた俺が単に我が儘なだけだったんだって。
頭ではそう言い聞かせてみるのに……心が納得してくれない。
力が入り過ぎて白さを増した拳に何か暖かいものが触れた。
「……相葉ちゃん?」
それは相葉ちゃんの手で。
俺の拳を上から優しく包み込んでいた。
「翔ちゃん……そんなに、ニノがいいの?」
ゆっくりと近付いてくる相葉ちゃんの顔。
その目は真剣そのもので、俺は少したじろいだ。
「あ…いば、ちゃん?どうしたの急に……」
今はここにニノも居ない。
メンバーすら居ない2人きりの楽屋で、“浮気”の演技をする必要なんてない筈なのに。
相葉ちゃんの動きは止まらない。
「ちょっ…相葉ちゃんっ」
後ろへ逃げようとした頭を逆に引き寄せられて、鼻から僅か1センチの距離に相葉ちゃんの顔があった。
驚いて目を見開いた俺の目の前で、相葉ちゃんは囁くように言葉を紡ぐ。
「俺じゃ…だめ?」
「は…?……相葉ちゃ、何言って……」
「俺だったら翔ちゃんを不安にさせたりしないよ?」
「な……、冗談…だよな?」
あり得ない告白。
だって……嘘だろ?