‡気象短編:裏〜激裏‡
□Envy-4u
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「相葉さん、うざい」
「つか俺らが居んの忘れてんじゃねーの?」
あー…そういえば、居たよね。
2人の言葉よりも俺に向けるその表情を見て、楽しかったはずの気持ちは一変した。
次いで生まれたのは、怒りにも似た暗い感情。
「ってかせっかく翔ちゃんとラブラブしてたのに邪魔しないでよ」
翔ちゃんを抱き締める腕にギュッと力を込めながら言うと、松潤の眉間に浅くシワが寄った。
「つかここ俺の家なんだけど。いちゃつくなら他所でやれよ」
「いい迷惑ですよね、ほんと」
松潤の言葉に同調して頷くニノも不機嫌そうに眉を寄せている。
“ってそんな怒る事ないじゃんか!”って膨れる反応が普通なのかな?
それとも“何でそんな怒んだよって”って言った方がそれらしい?
でも知ってるもん。
楽屋でも廊下でもスタジオでもないこの場所で、第三者の目なんか気にする必要のないこの場所で、それなのに2人がこんな風に怒る理由……俺知ってんだよ?
無言で睨み合う俺と松潤とニノとを順番に見て、翔ちゃんは困ったように眉を下げた。
「あー…何かごめんな?相葉ちゃん悪ノリし過ぎ。ほら、謝りな?」
場を納めようとして、翔ちゃんは俺の腕を離そうと引っ張りながら申し訳なさそうにそう言った。
でも、俺は離さないよ?
謝ったりもしない。
いつもならこんな事はしないのに、いつもなら“ごめーんね?”なんておどけて言ってその場を収めるのに。
俺は衝動的に翔ちゃんの首筋に顔を埋めて、チュッと強く吸い付いた。
その途端にビクンと体を震わせる翔ちゃん。
「んっ、ゃ…ちょっ相葉ちゃん!」
翔ちゃんの制止の声を無視して、赤く色付いた“俺のもの”っていう印に舌を這わせながら松潤とニノを交互に見る。
歪む2人の顔。
ねぇ、俺知ってるよ?
2人のキモチ。
気付いてないと思ってた?