‡気象短編:裏〜激裏‡

□たまには、ね?
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首を捻っていると電話口から潤の可笑しそうな笑い声が聞こえてきた。


「やっぱりね。翔くん分かりやす過ぎ」

「お…お前さては当てずっぽで言ったな?!」

「いや?翔くんの事なら俺何でも分かっちゃうから」


当たり前みたいにそう言った潤の声は年下とは思えない程甘く色っぽくて

思わず赤面した俺を見透かしたように、電話口から小さな笑い声が聞こえた。


「〜〜っ!何笑ってんだよっ」

「可愛いね、翔くんは」

「かっ…可愛くねぇよっ!」

「可愛いんだって。ちょっとは自覚しろよ?」

「だって…俺が可愛いとか可笑しいじゃん!んな事思ってんの潤くらいだよ」

「………取り敢えずむやみに可愛さ振り撒くんじゃねぇよ?翔くんは俺のなんだから」


潤は盛大にため息を吐いた後、ワントーン低い声で俺に忠告した。

ってソレ反則だって!

俺がその声に弱いの知ってるクセに。

しばらく潤の温もりから遠ざかっていた体はそんな些細な事にも反応して、下腹のあたりにゾクリとした快感が生まれる。


「……ねぇ…潤?」

「何?」

「……やっぱ何でもない」


仕事だって分かってるから。

忙しいって事も、会いたいからってすぐに会えるような人じゃないって事も分かってるから……言えない。

今すぐ会いたいなんて

今すぐ抱き締めて欲しいなんて

今すぐキスして欲しいなんて

今すぐ……抱いて欲しいなんて

……言えない。


「ほんと何でもないから。それより仕事頑張れよ?体調にだけは気をつけて。じゃあまたな」


触れる事も出来ないのにこれ以上声だけ聞いてるのが辛くて、俺は短い挨拶を告げると早々に電話を切ろうとした。

けれどそれを、寸前の所で潤が止める。


「待てよ翔くん!」

「……ん、なに?」

「なぁ、シよ?」

「は……?何言って…」

「知ってるよ?翔くんだってもうソノ気になってんだろ?」
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