‡気象短編:裏〜激裏‡
□赤い証明
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Side.S...
「じゃ、相葉ちゃん。俺帰るな?」
泊まって行けばいいのに、と最後まで口を尖らせていた相葉に小さく手を振り、「またな」と笑いながら彼の家を後にした。
無人のエレベーターの中腕時計を見れば、まだそう遅くない時間帯。
「……10時半、ね」
呟いた声は少し掠れていて、情事の激しさを思い出してつい苦笑が洩れる。
随分長い時間セックスしてたような気がしたのに、まだこんな時間なのかと首を傾げたが、思えば今日は始まり自体が早かったんだっけ、と思い直す。
仕事が終わってすぐ相葉の家に呼ばれ、それから飯もそこそこにベッドの上でずっと体を重ねてた訳だから、かれこれ三時間くらいブッ通しでヤりまくってたはず。
このところ続いてた欲求不満を解消したくて、相葉ちゃんの誘いに乗った訳だけど。
あんなにヤりまくったのに、どうしてだか満たされない。
そんな自分に首を傾げずにはいられなかった。
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