‡気象短編:裏〜激裏‡
□欲望の果てに、葛藤
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N視点
ものーすごく、欲求不満。
そして目の前には獲物が1人。
とくれば当然、ていうか必然?
「ねぇねぇ、翔ちゃん」
2人きりの楽屋に響いた俺の声に、帰り支度を整えた翔ちゃんはくるりと振り向き、俺の顔を見て途端に引き釣った笑みを浮かべた。
「ちょ、お前……その顔、何か企んでるだろ?」
「やだなぁ、心外」
「……じゃあ何だよ?」
「ねぇ、翔ちゃん……」
翔ちゃんの目の前までにじり寄って、俺はニヤリと口の端を上げた。
「今から俺とヤんない?気持ち良くしてやるよ?」
「………やっぱろくでもない事じゃん」
何ですかその冷たい目は。
「いいじゃないですか、別に。翔ちゃんだって好きでしょ?」
「まぁね、否定はしないけどさ、その口振りだとどうせまた俺が下だろ?」
「よくご存知で」
ニッコリと音が出そうな程綺麗に笑ってやると、対照的に翔ちゃんは嫌そうに顔をしかめた。
「お前未だかつて1回も下になった事ないだろ?」
「それが何なのよ」
「不公平じゃんそんなの。俺だってニノ鳴かせてみてぇもん」
「……あんた、俺を満足させられる自信あんの?」
「あ、あるに決まってんだろっ」
いや、どもってんじゃん。