‡気象短編:裏〜激裏‡

□Lie or truth...or??
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S視点





“浮気されても俺は全然平気ですよ”


某番組でお前が言った言葉。

それってさ、浮気されて逆上する程真剣に誰かを愛した事ないって事なんじゃねぇの?って俺は思う。

前から雑誌のインタビューなんかでニノの恋愛観は知ってたつもりだけど、自分だけは特別なんじゃないかって、多分俺は自惚れてたんだ。

だからもし俺に浮気の片鱗が見えたとしら、ほんのちょっとでも嫉妬してくれんじゃないかって思ってたんだけど……アイツそれすら全然気付いてなくて。

気付いてないって思ってたからどうやって気付かせようかって、もっと分かりやすくした方がいいんじゃないかって悩んでたのに。


“実際俺浮気されてましたからね。それも結構近場で”


何だ、気付いてたんじゃん。

気付いてたのに何にも言って来ないって事はさぁ、つまりそういう事なんだよな?

俺も“その他大勢”と一緒だったって事で、俺もやっぱニノにとっての“特別な恋愛対象”にはなれなかったっていう事実が辛くて。

思わず肩を落とした俺の口から大きなため息が溢れた。


「翔ちゃん……大丈夫?」

隣から聞こえた相葉ちゃんの心配そうな声。


「うん、大丈夫。ごめんな?なんか妙な事に捲き込んじゃって」

「それは全然いいんだけど……」

「俺、バカだよな?相葉ちゃんにまで浮気相手の振りさせといてさ……結局玉砕だもん」


ニノの愛情が分からなくて、本当に愛されてんのかが不安で……こんな風に嘘の演技でアイツを試そうとした結果がコレだ。

惨め過ぎて涙も出ない。

自嘲気味に乾いた笑いを浮かべる俺の背中を、相葉ちゃんの手が優しく撫でた。


「翔ちゃん、無理は良くないよ?」

「……っ…別に…無理なんか…」

「してるじゃん。あのテレビ俺も見たよ?……翔ちゃん辛かったんでしょ?」

「………」

「泣いてもいいんだよ?」
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