‡気象短編:裏〜激裏‡
□胎動-Ver.MS-
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S視点
ちょっと前から、相葉ちゃんの様子がおかしい。
けど、俺がいくら聞いても「何でもないよ」って言って笑うばかりで何も言わない。
会う回数も喋る回数もグンと減って、この前なんてキスしようとしたらビクッと一瞬体を震わせたんだ。
ねぇ……何で?
俺相葉ちゃんに何かしたっけ?
訳が分からなくて、分からないから訊くのに相葉ちゃんははぐらかすばかりで何も解決しない。
好きなのに…こんなに好きなのに、俺と相葉ちゃんの間にはどんどん見えない溝が出来ていってるのを感じる。
なぁ…俺、どうしたらいいんだよ?
沈みきった心で見詰める先には、親密そうにニノと話す相葉ちゃん。
相葉ちゃんの指定席は俺の隣だったはずなのに、今は違う。
楽屋ではいつもニノの隣。
ねぇ、何でなんだよ?
メンバー相手に嫉妬してるなんて情けないって分かってるけど、ニノがこっちを見て薄く笑うのを見たら何とも言えない気持ちになって……。
思わず立ち上がった俺を止めたのは松潤だった。
「ちょっとニノに任せてみたら?」
「……でも…」
「翔くんには言いにくい悩みなのかもよ?」
「それでもやっぱ言って欲しいし」
「ニノは相葉ちゃんの親友じゃん?親友だからこそ話せる事ってあるんじゃねぇの?」
「………そっ…か…」
正直納得しきれないけど、松潤の言う事も一理あるような気がして小さく頷きを返してまたソファーに座り直した。
でも、その判断は間違ってたのかもって今更になって思う。