‡気象短編:裏〜激裏‡

□たまには、ね?
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S視点





「あーもうっ!何で出ないの?!」


耳に当てていた携帯電話を切ってベッドに投げ捨て、俺はそのままベッドの上にダイブした。

そりゃドラマの撮影とか色々忙しいのは分かってるけどさ。

昨日からずっと電話してんのに一回も出ないし掛け直してもくれないし!

最初は「何でだよ?」ってイライラしてたわけだけど、いつまで経っても連絡が来ないって事実が不安で寂しくて……今は怒りなんか通り越して


「寂しいよ……潤…」


力無く呟いた声は一人きりの部屋に寂しく響いた。

弱ぇなぁ……俺。

そのままゴロリと寝返りを打とうとした時、図ったように携帯から軽快な着信音が流れた。


「……誰だろ?」


寝転んだまま手を伸ばして携帯のディスプレイを確認すると

そこには今の今まで思い続けていた人の名前が表示されていて。

俺は急いで飛び起きて携帯の通話ボタンを押した。


「もしもし?!潤?」

「うん。翔くんどしたの?そんなに慌てて」

「どうしたってお前っ……何で全然連絡して来なかったんだよ!」

「寂しかった?」

「ばっ…違くて…」

「ふふっ、強がっちゃって」

「別に強がってなんかっ!」


図星を刺されてムキになって言い返したけど……まぁその通りな訳で。

俺は次の言葉を発せずに黙ったまま口を尖らせた。


「……翔くん口とんがってるよ?」

「はっ!?お前っ…どっかから見てんの?!」


俺は目を見開いて部屋の中を見回した。

もちろん潤は居ない訳で…部屋もいつも通り変わりない。
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