‡気象短編:表〜軽裏@‡

□左の欲求、右の葛藤
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N視点



 
 
 
「なるほどね。翔ちゃんはそんっっなに俺とするのが嫌なわけですか」
 
「だから誰も嫌なんか言ってないだろ?今日はダメっつってんの!」
 
「だから俺は今すぐ翔ちゃんが欲しいんだって言ってんじゃん」
 
「〜〜ニノのワガママっ!!とにかく今日はしないったらしないからな」
 
「何勝手に決めてんですか」
 
「はぁ?意味分かんないし」
 
 
不毛な言い合いを始めて小一時間経過。
 
温厚なニノちゃんもいい加減腹立ってきたんですけど。
 
翔ちゃん家に来るのも久しぶりだし、
こうやって会うのも一緒にご飯食べるのも久しぶりだし……ってなったら普通ヤっちゃうのが自然な流れってもんでしょ?!
 
なのに翔ちゃんはさっきから“ヤらない”の一点張り。

はぁ?って言いたいのは俺の方だって分かってんですかね?
 
そんなイライラも手伝って、立ち上がりかけた翔ちゃんの手を乱暴に引っ張り腕の中に無理矢理閉じ込めた。
 
 
「ちょっニノ!離せってば!」
 
 
はい、もう無視。
 
翔ちゃんの抗議は聞こえてない振りして翔ちゃんのTシャツの裾から両手を侵入させた。
 
すると、
 
 
「止めろって!ヤダって言ってんじゃん!」
 
 
必死に抵抗する翔ちゃん。
 
普通そこまで嫌がる?
 
あーもう絶対止めてやんない。
 
 
「ニノっ!!いい加減にっ……」
 
 
その時、部屋に小さな振動音が響いた。
 
 
「翔ちゃん電話だよ」
 
 
もちろん震えてるのは俺のじゃなくて翔ちゃんの携帯。
 
 
「出ないの?切れちゃうよ?」
 
「出るよ!」


翔ちゃんが急いで携帯を開くと液晶画面にはお馴染みの名前が写し出されていた。
 
翔ちゃんは直ぐ様通話ボタンを押す。
 
 
「もしもし?相葉ちゃん?どしたの?」
 
『あ、翔ちゃん?お疲れー!今大丈夫?』
 
 
大丈夫じゃねぇよ。
 
てか相葉ちゃん声デカいし。
 
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