‡気象短編:表〜軽裏@‡

□好奇心が招いた悪夢
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S視点





「……ちゃん…翔ちゃん……ねぇ、翔ちゃんってば」

「……ん…?」


耳からぼんやりと聞こえてきた和の声で、飛んでいた意識が戻ってくる。

ゆっくり目を開くと目の前には俺を見下ろす和の顔。


「あれ…?俺、寝てた?」


覆い被さっていた和の体を押し返しながら起き上がろうとして、腰に鈍い痛みが走った。


「ー―ったぁッ…」


再びベッドに沈み込んだ俺を見て和は俺の瞼にチュッっとキスを落としクスリと笑った。


「いきなり動くからだよ。しばらくは足腰立たないんじゃない?」


そう言われて記憶を辿る。

えーっと、確か初めて和を抱いて……で?

視線を下げ自分の体を確認すると、そこかしこに咲く赤い華。

………思い出した。

思わず俺は顔を覆う。


「あー…もう、マジ最低…」

「散々よがって腰振ってた人が何言ってんですか」

「ちょっお前…普通そういう事言う?!」

「だってほんとの事じゃん。お仕置きのつもりだったのに逆に悦ばしちゃいました?」

「ばっ…冗談じゃねぇよ!こっちはヤり殺されるかと思ったんだぞ?!」


キッと睨み付けて言ってやったのに、和は怯むどころかニヤリと嫌な笑いを浮かべて俺を見た。


「俺も翔ちゃんに絞め殺されるかと思ったよ」

「は?何が?」


首を傾げて和を見上げる俺の耳元に和の唇が降りてくる。


「俺のを喰い絞めて離さなかったじゃん。そんなに美味しかった?」


ふふっと笑う和の吐息にピクリと勝手に体が反応する。
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