‡気象短編:表〜軽裏@‡

□好奇心
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N視点





何なんでしょうね、この人は。
 
仕事が終わって俺ん家に翔ちゃんを誘って……ってまでは良いんですけどね
 
どうにも今日は様子が変。
 
俺の隣でチラチラとこっちを窺ってはまた新聞に目を戻してを繰り返す翔ちゃん。
 
なのに俺と目が合うと慌てて目を逸らすわけ。
 
ほんとに何なんだよ…。
 
帰りがけに相葉ちゃんと何か話してたみたいで、それからずっとこんな調子なんですけど。

あのバカにまたなんか吹き込まれた?


「……翔ちゃん、今日相葉ちゃんと何話してたの?」

「え?!……いや、別に…お疲れ〜って言ってたくらいだよ」


じゃあ何なの?その焦り様は。


「ふーん?……翔ちゃんの事だからまた相葉ちゃんに変な入れ知恵されたんじゃないかと思ったんですけどね」

「え。ま…まさかあり得ないって」


はい決定。

今度は何入れ知恵されたんでしょうね?

まぁ…ちょっと出方を伺いますか。


「あっあのさ、和」

「ん、何?」

「あのー…さ…」

「だから何ですかって」

「……と……ある?」

「はい?」

「だからっ!……男と付き合った事ある?って訊いてんのっ!俺以外に」


……はい?
 
いきなり何言い出すんだよこの人。

俺は呆れたように目を細めて翔ちゃんを見た。


「あるわけないでしょ。じゃあ何?翔ちゃんはあるの?」

「あるわけないじゃんっ!」

「だろうね」


じゃなきゃ許さないし。

ってゆーか何その質問?

怪訝な顔で翔ちゃんの方を見ると、翔ちゃんは何かを決心したように勢い良く立ち上がって俺の腕を引っ張った。


「和、ちょっと来て?」

「何なんですかいきなり」

「いいからっ!」


何なんだよほんとに……。
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