‡気象短編:裏〜激裏‡
□好きよりもっと
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さすがにこの状態で読み続けるのは体制的に苦しいし、仕方ないので昼のバラエティ番組が流れていたテレビをニュースに切り替え、音量をギリギリまで絞る。
最近ではそう明るい話題も珍しい出来事もないからか、ニュース番組なんてどのチャンネルでも似たような内容だ。
結局はちょっと前のネタを掘り下げるしかない。
議員選・新内閣然り、覚醒剤然り、某漫画家の訃報然り、山道の熊然り。
これから年末に掛けて、毎年の恒例のように一層暗いニュースが増えていくんだろうか。
そんな取り止めのない事を考えながらぼんやりと画面を眺める俺の、その膝の上ですっかり熟睡体制の雅紀が小さく身動いだ。
「………こいつは相変わらず平和だな」
ふっと口に浮かんだ笑みをそのままに、前髪の隙間から覗いた額にチュッと口付けを落とす。
さらりと前髪を掻き上げてやれば、モゾモゾと動いて俺の方へと寝返りを打ってきた。
「…ん゙〜……」
細く唸り声を上げながら、さながら抱き枕にそうする様に両腕をがっちりと俺の腰に巻き付けてくる。
可愛い……けど、頼むから股間に顔埋めんなよお前。
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