‡気象短編:裏〜激裏‡
□譲れない想い
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「どうしたの?ページ進んでないっつーか、さっきからずっと固まったままだけど」
ふと、顔を上げれば首を傾げたニノの姿。
やべ。また余計な事考えてたか、なんて思っても後の祭りで、ニノは俺の手元に目を落とし開いたままにしていた雑誌の見開きに目を走らせた。
そして僅かに硬くなる表情。
そうだ、確かニノもドラマ見てるって言ってたっけ……。
「ようやく、だね」
「……何が?」
たまにだけど、こいつも誰かさんと一緒で脈絡がない時がある。
「そこにも書いてんじゃん。最終回、もうすぐでしょ?」
ああ、なるほど。
これでもう、あんな胸くそ悪いシーンを見て毎回歯噛みする必要がなくなるのか。
思わず安堵にも似たため息が落ちた。
「んなイライラするぐらいなら見なきゃいいのに」
「……その言葉、そっくりそのままお前に返すよ」
「何言ってんの。見なきゃ余計気になってモヤモヤすんじゃん」
「まぁ、同感」
そう、だから結局はイライラしながらも見るしかなかった。
そこんとこで考えるとあの二人はある意味大物かもしれない。
そんな風に思いながら楽屋のソファーで思い思いにだらけている相葉ちゃんとリーダーを見る。
いや、大物ってより俺らとは対極の考え方ってだけか。
ふいに大きく伸びをした相葉ちゃんがこっちの方へと近付いて来た。