頂き物

□銀高3
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とりあえず、万事屋の中に入り銀時はソファーに腰を…下ろすのさえ、子供の体だと大変なんだな…。

その向かいに高杉と辰馬が腰を下ろす。
高杉は、ソファーによじ登ろうとする銀時の姿にまた悶えた。

…ちょ!!なんだこの可愛い生き物ぉお!!

ようやく座れた銀時がゼハゼハしながら、二人に憎まれ口をきいた。

「お前らさぁ、こんなことしに来るとか、どんだけ暇なんだよ、あぁ?」

銀時は睨んでるつもりなのだろうが、身長のせいで上目遣いになってしまっている。つまり、全く迫力がない。

いつも、見下され睨んでも上目遣いにされてしまう高杉は、つい抑えきれず噴き出してしまった。
横を見ると、辰馬も盛大に笑っている。

「…っく、お前らぁ!!誰のせいでこうなったかわかってるよね!?」

銀時はソファーの上に立ち腰に手をやり叫ぶ。

やばいやばいヤバいって!!
可愛いにも程があるって!!

笑いすぎて悶えすぎた高杉は机に突っ伏してしまった。
辰馬は、まだ笑いまくっている。

「いやー、江戸に持ってきてよかったのぅ!!」

「もういいよね!?十分楽しんだよね!?早く戻してくんないぃ!?」

銀時の声が涙声になってきた。子供になると、涙腺も弱くなるようだ。

「銀時」

高杉は銀時を手招きする。顔にハテナを浮かべながらも銀時は高杉の前に寄っていった。

高杉はヒョイと銀時を持ち上げて自分の膝の上に乗せた。

「よしよし」
「……ッ!!」

抑えきれなくなった高杉はニコニコ笑いながら銀時をあやしだす。

その様子をみた辰馬は、もう笑うのも忘れひたすら和んでいる。

「…めんこいのぅ」

銀時はいつも見ない高杉の姿に、自分のことも忘れて驚いていた。

何この子、子供好きなの!?ちょっ…銀さん自分のことも忘れて悶えそうなんですけどぉお!!

なにか異様な空間になりつつある万事屋だが、ニヤニヤしている辰馬に気が付いた高杉がハッと我に返った。

「う…ぁ!」
「晋助は子供が好きなんじゃのぅ」
「ちち違うぞ!!これは銀時だからであって…!!」
「えっ」
「いや、泣きそうな声だったから!!」

どんどん墓穴を掘っていく高杉を二人はニヤニヤしながらからかった。

たとえ、子供の姿になったのが銀時でもからかわれるのは晋助なんじゃな。

辰馬は、そんなことを思った。


終わり
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