10/05の日記
02:41
ファミレス
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「…ファミレス」
「ファミレスです」
警戒を解く為には、お話してあげて下さい。
とシオンにアドバイスされ、とりあえずジェイドと会話を試みたその時、その口から意外な提案が飛び出した。
「別にいいけど」
ジェイドはほんの少し嬉しそうに俺を見上げた。
「あんた、何が好きなんだ」
「…好き」
「食い物だよ。ファミレス行きたいんだろ」
「食い物…カリカリはあまり好きではありません。ミルクの方が好きです」
「…」
※キツネは犬科
「それしか食ったことねぇの」
「たまに缶詰めも」
※ウェットフードはご馳走です。
「よくファミレスなんて単語知ってたな」
「だから行ってみたいんですよ。人間がどんなものを食べるのか、見てみたい」
ぺしっと、ジェイドの尻尾がフローリングを叩いた。
「わかったわかった。連れてくよ。ただし、あんたも何か食えよ人間らしく」
「…緊張しますね」
ジェイドの耳と尻尾が、少し逆立ってぶわっとなった。
このキツネは、本当に人間になったばかりらしい。
カリカリを食わせてみたい気持ちもあるが、初めての飯というのも面白そうだ。
「行こうぜ」
立ち上がってジェイドの手を引いた。
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