同人小説
□休み時間のSS(学生スキット)
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『ネクロマンサー?』
「…と、そうだ。面白れえ噂聞いたから確かめようと思ったんだ」
「何です?」
「ここ、ハムスター飼ってるって本当か?」
「ええ。居ますよ」
(水槽の隅に山盛りで丸まるハムスター)
「マジか!」
「…そんなに驚くことですか?」
「いや、ハムスターの存在も不思議だけどさ…あんたのあだ名『ネクロマンサー』なんだって?」
「…まあ、そんな呼ばれ方もありますが。それが何か」
「いや、ネクロマンサーが一人で生物室に入ると、ハムスターが『減る』って…聞いたんだけど…」
「はあ…そういう噂になったんですか…」
「何で?」
「…私は実は化け猫で、月夜の晩に小動物を見ると血が騒ぐんですよー。」
(ハムスターは眠っている)
「……」
「あの柔らかいお腹を爪でざくっと」
(ハムスターは眠っている)
「あんたがネクロマンサーって言われる理由は何となく解ったわ…」
−終わり−
『減ります…減らします』
(ガラリと生物室のドアが開く)
「…失礼します、ジェイドさんいますか?」
「ああ、イオン君。待ってましたよ…いつもすみません」
「いえ、こちらこそ。まだ需要があるので喜ばれます」
(ジェイドは片手でハムスターを掬う)
「何匹入れますか?」
「五匹お願いします」
(ハムスターを小さい箱に詰める)
「初等部では、これはまだ人気の様ですね」
「かわいいですし、飼いやすいですからね。僕もお勧めしてます」
「重ね重ねすみませんね」
「いえ、僕は大したことをしてませんよ」
「…これで五匹です。可愛がって下さいね」
「ありがとうございます!直ぐに里親さんに持って行きます」
(箱を抱えて嬉しそうに出て行くイオン)
「…ふう。誰が交配を始めたんだか知りませんが…ねずみ算式を理解してから始めて欲しかったですねぇ」
(残ったハムスターは四隅でプルプルしている)
「初等部の需要が無くなったらペット屋に売りますよ?」
(ハムスターは四隅でプルプルしている)
「きっと蛇や猛禽類の餌になるんでしょうね〜…」
(ふう)
−終−