同人小説

□IJADEA
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俺の立ち位置。









1日目

ジェイドの旦那っつー、性格最悪で変な科学者が俺の立っている廊下に近い、この部屋ん中にいる。

そう、それを知る前に使用人のガイって男と手合わせしてるうちに仲良くなったんだ。
あいつはいい奴だ。

そいつと話してると、この旦那の話がちらほら出てくるんだ。
ネタにしてるつもりだろうが、多分にノロケ。

何度か毒吐いてるの聞いたことあるけど、この旦那のどこがそんなにいいんだ?
自分で最悪って言ってるくせに。





2日目

この旦那はガイ以外に好きな人がいるらしい。
誰かっつったら国家機密だと。
何だそりゃ。
辛い恋だなーって言ったら、結婚出来ない時点で引き分けみたいなもんだと。
意外と開き直ってんな。相手がマジ気になる。









3日目

どうも、この旦那は熱中すると他が見えなくなるタイプらしい。
休憩も食事も忘れるのは、凄いけど生き物としてどーかと思うわ。

事務でも戦闘でも平気で体壊すから、気が気じゃないとさ。
愛されてるねえ。









4日目

「エステル、俺ちょっと行ってくる」

「まあ、…そろそろね。行ってらっしゃい」

エステルはそう言うと、笑って俺を見送った。

俺は科学室のドアを開け、気配を絶って旦那の背後に近付いた。
こうなると、軍人とはいえやっぱり少しは鈍くなるな。

「っわ!?」

足からバランスを崩され、いきなり姫抱きにされた旦那は慌てて俺にしがみついた。

「おー、毎度毎度ご苦労様」

何度目か判らない俺の突入に、慣れたハロルドがニヤニヤして手を振った。

「ちょ、あの、ユーリ!」

非難の声を聞かない振りして俺は旦那を抱いて廊下に出た。
変わらずニコニコしているエステルの前を通過して医務室の自動ドアを開ける。

「!」

ベッドの上に多少乱暴に落としてやった。
言っても聞かない奴には丁度いい。

「ユーリ?」

「寝ろ」

非難の目を向ける旦那に、反論を許さない態度で、一言。

「これで徹夜3日だ。いい加減寝ろ」

徹夜を3日カウントしたら、強制連行。一度きりのつもりだったそれを、何度となく繰り返している。

「……ああ。」

「ようやく自覚したか?全く、倒れたりしたらガイが心配するぜ」

俺は拍子抜けしたらしく、睨むのを止めた旦那の頭をポンと叩いた。

「私はあなたより年上なんですが…」

「関係ねえよ」

枕元に畳んで置いてある毛布を広げ、座っている旦那を包んで押し倒す。

「…寝るよな?」

耳元で囁けば、僅かに肩が震える。
こういう仕草が、ガイ曰わく「時々可愛い」んだろうな。

「わかりました…」

諦めた様な、疲れた様な弱い声が返って来た。
隅のできた薄い瞼を指でなぞってやれば、ゆるゆるとその紅い眼を閉ざす。

こんだけ素直に言うこと聞くのは、俺が上司でも部下でもなく、利害に関係ない他人だからだろう。

旦那を心配してるガイの居るゲストルームはここから遠く、想い人については船どころか遥か海の向こう。




こんだけ近い、俺の立ち位置

気持ちは遠くて、だから近づけて。






ーガイには悪いけど、ちょっと優越感感じてるー






ー終わりー




ついにユリジェが降ってきた(´∀`)

何気にユーリってジェイドと距離的に近い。廊下。
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