同人小説

□おとなむけ(R18)
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六月の花



「…っスパーダ、…あ」

首に、鎖骨に、肩に、戻ってまた首筋に、胸元に、胸の間に、脇に、赤い痣を吸い付ける

「…っ…っ」

色付き易いルカの白い肌は、少し力を入れればすぐに赤く染まる。

知り尽くしたルカの、敏感なところもそうでないところも、今日の彼はかまわず次々と赤い痣を散らす。

「スパーダ…っ」

一番敏感な場所を避け内股から膝上まで下りて、スパーダはようやく顔を上げた。

「…スパーダ…どうっ…し」

耳を軽く噛み、ルカの言葉を遮って低い声で囁いた。

「後ろ向けよ」

言われるままにうつ伏せたルカに、また首筋から順に口付けを降らす。

「っ…っあ」

ルカの性感帯を掠めたり、外したり、焦れったいくらい手当たり次第に口付ける。

「スパ…ーダっ…や…」

背中のあちこちに散らし、もう場所がないくらいに全身口付けられ、ルカは耐えきれずに身をよじった。

「やっ…も…だめ」
ここまできて、ようやく気が済んだのか、スパーダはルカの背中に手を入れ仰向かせた。

上気して潤んだ目で、ルカはスパーダを見つめる。

「…スパーダ?」

いつもと違う愛撫に、優しさとも違う違和感を感じて、ルカは首に両手を回してスパーダを引き寄せる。

「っ…ふ」

そのまま深いキスを受け、ルカの両手はスパーダの首からするりと落ちた。

ルカの後ろを指先であやしながら、スパーダは窓辺に目をやる。

「…あれ。」

弄ばれ、身をよじりながら見上げた窓辺には、薄い小さなピンクでできた、丸い花があった。

「あ…っ」

ルカは喘ぎとも相づちともつかない声を上げた。

「研究に使ったからって、リフィルがくれたんだ。…何か、似てると思ったからさ」

ルカ自身に触れながら、慣れた手つきで自分にゴムを被せる。

「あ…も…スパーダあっ」

「同じにしてみてぇと思って」

ぎゅっと目を閉じて喘ぐルカに囁いて、サディスティックに笑った。

「こんなのもイイだろ?」

赤く、小さく、幾つもの花弁を散らしたルカの体は痛々しく扇情的で
「いくぜ…」

その姿に欲情し、いきり立ったスパーダと、ルカの悲鳴に似た喘ぎは

六月の雨音に消えた―



ー終わり
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