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□海side
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「杏子…さんが……。」



杏子さんは、俺の恩人。
家庭で色々あった俺にとって本当の母さんのような存在だ。


だいぶ前、15年くらい前に偶然会ったのが最後だった。
杏子さんはその少し前に結婚して、引っ越した。
それに、俺も5年くらい前まで親の都合でアメリカに住んでいて、その後も色々忙しく会う機会がなかったのだ。


最近やっと落ち着いて会いに行こうと思っていたのに…



「そんな…。」



何にもする気分にも慣れなかったが仕事をサボるわけにもいけないと、俺はスーツを着て家を出た。



 
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