ヒトミぐるり
□beautiful name
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ゆみこ…。
心の中でつぶやくと、甘い疼きが胸の奥に広がった。
「ゆみこ…」
「どしたの?」
コムさんが、いたずらっぽく微笑みながら、こちらを見ている。
「え?」
「今『ゆみこ』って言った」
「…すみません」
「…らしくないわねえ…」
「え?」
「さっさと行っちゃえばいいのに…。私の時みたいに」
「コムさん!!」
「冗談よ」
あはは。と笑うと、コムさんは私の頭をぽんぽんと叩いて…、急に真顔になった。
「困るんだけど」
「え?」
「あなたたちが『このまま』じゃ、心配で卒業できない」