ヒトミぐるり
□『好き』
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「ゆみこさんが、オサさんのことを?」
「うん…」
「よかった…じゃないですか?」
「そう思う?」
オサさんは、腕組みをして天井を見上げた。
「大体、ゆみこが…。ミズの名前なんか出すから…」
「ミズ…さん?(あの…、話が見えないんですけど)」
「うっかり『好きだ』って言っちゃったじゃない」
「『うっかり』言う言葉じゃないと思いますけど…」
「…まあね」
「で、ゆみこさんが、その返事を…」
「そう…なるかな…」
「じゃあ、『ありえな』くは、ないじゃないですか」
「んー。でも、なんだか、ひっかかるのよねえ…」