ヒトミぐるり
□『好き』
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紙袋の中身を見て、ゆみこさんはちょっと顔をこわばらせたけど、それは一瞬。
すぐにふわりとした笑顔で、私にお礼を言った。
そうだ。笑顔は、この人の『鎧』だ。
もう随分長いこと、この人のそばにいるけれど。
未だにその鎧を外せたためしがない。
こんなに…、愛しているのに(#-_-#)。
「や〜。まゆさんが赤面してるぅ〜」
「ゆみこさんっ!!!」
「はいっ(おすわりっ)」
「どういうことですか?」
「え?」
「オサさんに…」
「…もう…、しゃべらはったん…や」
ゆみこさんはうつむき、紙袋をきゅっと抱いた。