ヒトミぐるり
□uña azul
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「おとうさん…」
「あ〜。んー、何だっけ?」
「呼んでみただけです」
「そう。甘えたやね♪」
「本編では、できませんから」
「うん(にこにこ)」
「ゆみこさん…」
「ん?」
「さっきから、ひろみさんが見てます」
「え?何やったっけ?」
「聞いてみられたら?」
「ん。そうやね」
立ち上がる我が父上の背中は…、なるほど、ひろみさんの言うとおり、ちょっと(かなり)華奢になられたような…。
ふっくらとした色気が…?
うん。ちょっと乾いた感じで。
『して』ないから…。
身も蓋もない言い方で、ひろみさんは言う。
まったく…。あの人の気持ちの行き場所は…。