ヒトミぐるり
□uña azul
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「何、見てんの?」
「んー」
長い爪の先まで、青い血が流れている…。
誰が、こんなに、長くしろって…?
…
…俺…、さ〜♪(じゃーん)。
「はい、はずした〜」
「ちょっと、鼻歌に突っ込まないでくれる?」
「だめだめ。日頃から、音程はきちんと!!」
「はいはい」
役柄のせいか、このごろますます母親っぽくなった我が同期は、長いスカートのすそを、重そうに抑えながら立ち上がると、振り返って、私を見た。
「会ってないの?」
「え?」
「いや、なんでもない」
…
会って…ません。