ヒトミぐるり
□graduación
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「よく、来れたわね」
自分で呼び出しておいて、オサさんはそういう言い方をする。
この人。相変わらずだ。でも…。
「いよいよ…。ですね」
「うーん。なーんか。実感わかないのよね」
「わたしも…です」
「…寂しがって…くれてんの?」
「あたりまえやないですか」
「ふ…ん…」
オサさんは視線をそらした。
「ミズ…は?」
「今日は◯◯やったと思います」
「私が聞いてるのは、地名じゃなくて」
「え?」
「私と会うのを、ミズが知ってるのかってことよ」
「…言うてません」