ヒトミぐるり
□reserva
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とは言え、私もゆみこにばかり、かまけているわけにはいかなかった。
「あ〜。ミズさん。お疲れ様ですぅ」
役のせいか、語尾にちょっと、京都っぽいアクセントがついた、この人が、私の相手役。
これから、気が遠くなるような、たくさんの場面を、この、砂糖菓子のようなふわふわした娘と、紡いでゆくのだろう…。
『砂糖菓子…?そりゃ、甘いで、ミズ』
トウコさんは私の想いをあっさり笑い飛ばした。
『あの子なあ…蛇やで』
「へ、へびですか?」
『甘いもんより、肉や、肉!!それも、とびっきりのレアや!!』
「え"〜っ!!」