『瞳…』
□絆
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カーテンを開くと、そこには、都会のイルミネーションに続く満天の星…。
「星じゃなくて、月!!」
「え…?」
アイーダに促されるまま、月を見つめる。
おんぼりと…丸い…。
「もうすぐ…満月?」
「そうよ。14番目の」
あ…。
それは、約束。
14番目の月の日に。お揃いの指輪をして、お互いを…想い続ける…。
…指輪…。
…って、どうしたっけ?
「もう、トウコさん。こっち来るときに、お大事BOXに入れてたでしょ」
「あ、せやった」
セーフティボックスを開き、がさごそと小さな箱を取り出す。
蓋をあけると、二連の華奢なダイヤが、恨めしそうに鈍い光を放っていた。
あー。手入れもしてないし。
左指の薬指にはめ、目の前にかざしてみる。
窓から入る月の光を受けてそれは、生き返ったように、きら、と瞬いた。
…ワタさん…。