『瞳…』
□Buenas noches
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『ふーん。トウコがそんなことを…』
電話の向こうのワタルさんはしばらく沈黙した。
すでに、彼の時間は「その日」に向かってすごいスピードで流れはじめ、本拠地を離れている間、トウコさんの見張りは、私の役目になっていた。
で、こっそり、デートなんかもしちゃうわけ(うふ)。
『それって…、トップになれるかどうかの、不安の裏返しじゃないの?それなら「大丈夫」って言ってあげて』
「…わかりました」
携帯をたたむと、都会の木漏れ日の中を歩くトウコさんを見やる。
森の…妖精…?
いや、やっぱり魔物だ(笑)。
…
あれ?
他のテーブルからもトウコさんに視線が…。
…どこかで…見たことが…。
よく見ようとサングラスをはずすと、その人と目が合った。