『瞳…』

□扉
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「やだぁ。また泣いてたのぉ?」
「あ、ワタさん、おはようございます」

コーヒーの香りの中、ふんわりとした暖かい笑顔が、私に向けられている。

「これ飲んだら、送っていくから。一度、家、戻るでしょ?」



「…あの…、すみませんでした」
「もう、慣れた」

さらっと言われるとなおさら、胸の奥がずきっとする。

動こうとしない私を見てくすっと笑うと、ワタさんは、両腕を小さく広げた。

「おいで」
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