『瞳…』
□ひとつだけ
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「センセー、これ、大丈夫なんですか？」
「サイトークオリティを信じろよぉ」
「だってこの脚本…」
…
「ここまで言って、あとは、アイーダの反応に合わせてゆけば、いいから」
「…責任、持てませんよ…」
「いーのいーの。何かあったらまた、新しい脚本（ほん）ぶつけるから」
「それに私、女の子の扱いは知りません」
「え？ワタルくんって、相手、男なの？」
「…別れました…けど…」
「わ〜、男同士だ〜（キモ〜）」
「先生!!!」
「ん？」
「前から聞きたかったんですが…」
「いいよ」
「トウコちゃんのこと、好きなんでしょ？」
「もっちろ〜ん♪」
「平気なんですか…？」
「何が？」
「そ、その…、ひょっとすると、私と、トウコちゃんが…」
「わかってないな〜」
「は？」
「『恋』と『萌え』とは、違うんだよ」
「はあ…」
「まあ、がんばりたまえ」
そこまで言うと、サイトー先生は、急に真顔になった。
「…の再演は…、キミ達にかかっているんだから」
「あ…」
「アイーダとラダメスが抱き合わなかったら、…にならないでしょ？」
「…そう、でした」
「明日までに関係を（を、俺がいうと何だかヤラしいぞ）修復すること。以上、サイトーからのお願いでした。じゃ」
手をひらひらさせながら、先生が去ってゆくと、入れ替わりに、思いつめた表情のケロちゃんが、近づいてきた。
「ワタルさんに…、お伝えしたいことが…あって…」