『瞳…』
□萌える
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演出に煮詰まると、俺は時々、ここに来る。
マンガを手にしながら(マンガかよ)、
ぼんやりと、メイドたちの姿を追う。
白くて
ふわふわして
手がちっちゃくて
胸が…でかい(こらっ)。
あの中には、
何が入ってるんだろう。
彼氏…、いるのかなあ(もしもし?)
今、何、考えてる?
危ない人だと思われたらいけないので(もう、思われてますよ)、この位にしておこう。
それから、今度は、自分の作品に出ている生徒のことを、順番に思い浮かべる。
その、細いけれど筋肉のついた身体の中に満ちている…
喜び
怒り
悲しみ
欲望(ああ、萌えるぅ…)
それらを、ひとつひとつ取り出しては、美しく(ここ、ポイント)お客様に見せる…。
それが、演出家の仕事だと、思っている(いいこと言うなあ、俺)。
…
そして、俺は、知っている。
トウコの身体には
まちがいなく、
魔物が入っていて、
俺は、そいつに
…魅せられている!!