『瞳…』
□疑惑
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「…して…ない…」
…この反応は…
「ずいぶん、わかりやすいですね」
我ながら、棘のある言い方。
「いや、あの、私は…」
「トウコは!!」
なにか言いかけたワタルさんをさえぎる、自分の声の大きさに驚く。
…トウコは…。
(いつも言ってますが、今日も言わせて下さい。)
受験前に出会って。
下級生時代を一緒にすごし。
うれしいことや、悲しいことや。
誰よりもわかりあってて。
大切で、大好きで…。
「で…、どうするの?」
「え…?」
「知って…、どうするの?」
「だ、だって、心配で!!!」
「悪いけど、これって、トウコちゃんと私の問題だから」
「なっ…」
「それに…」
ワタルさんは、一呼吸おくと、私をじっとみつめた。
「一ヵ月後、あなたは、ここには、いないのだから」