『瞳…』
□疑惑
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「とりあえず、座ろうか」
「…うん」
一人で練習するときによく使う小部屋。
ここなら、誰にも話を聞かれない。
「ワタルさんと…、何かあった?」
「…」
「家、泊まった?」
「…泊まった」
…
「何か、あったんやな?」
「…それが…」
トウコは、頭をかかえた。
「よう、わからん」
何?それ。
「収録のあと、ワタさんに車で送ってもらってたでしょ。その途中で、なんや、気分わるぅなって…」
…
「で、気ぃついたら、朝やってん」
…
「で、ここ来る前に、着替え取りに、家に寄ってもらって」
「それって、どちらかというと、むっちゃ、お世話になってない?」
「なってる」
「じゃ、さっきの、これは?」
私は、手を、ひらひらっとさせた。
「それ…は…」