ヒトミぐるり

□Un día de la pasión
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役…。

その大きさで、同じ作品でも、お稽古場が、こうも違ってみえるんやろか…。

それとも、年月…?

あの頃はただ、すばらしい作品に出られることがうれしくて、毎日、踊って、跳ねて…、無我夢中で…。

「今回は違うんですか?」
「あ、まゆさん」

2期下なのに『さん』付けで呼んでしまうのは、その落ち着いた風貌と物腰と…。

…それだけやなかったような。

「ゆみこさん」
「ん?」

「気ぃつけてくださいね」
「何を?」

「…」

無言で見つめるその先では、黄泉の帝王が、大きな羽根を広げている…ようにみえた。その存在感に、今さらながら圧倒される。

「すごいねぇー」
「感心している場合じゃありません」
「は?」

「オサさんは、ゆみこさんのこと、まだ、あきらめてませんから」
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