『瞳…』
□しるし
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「イーシーちゃーーーん♪」
駆け込んできた人影は、転がるようにその人に近づいた。
「あー、トウコちゃん、久しぶり〜」
「ごぶさたしてまーす」
この畏れ多い上級生@理事に、「ちゃん」づけはなかろう…と思いつつ、仲良かったんだろうなあ、と想像してみる。
「ああやって見ると、トウコさんってば、すっかり下級生ですねえ…」
横に座っているダンちゃんが、野太い声(失礼)で言う。
「そういえば、ダンちゃん、※組にいたことがあったんだっけ?」
「ええ。ユキさんとは、すれ違いでしたけど」
…ユキ…さん?
一瞬、記憶の狭間をただよう。
が、すぐに、その人だと認識する。
…トウコ…の?
「はい。トウコさんの…です」
見透かすように、ダンちゃんが言う。