『瞳…』
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…え…?
「どうしたんですか?」
「また、誰かに呼ばれたような気がした」
「最近、多くないですか?」
「せやな〜」
トウコさんは、カウンタの上のグラスを、ちょん、と、はじいた。
この店、じゅんこさんに教えてもらってん。
ワタさんが、卒業の話を最初にじゅんこさんにしたのも、ここやねんて。
「トウコさん…」
「なんや…。ワタさんがいなくなったところって…想像できひん」
「チエがいてますから!!!(わん!!)」
「……ありがとう…」
なーんか。トウコさん、最近、しおらしいなあ…。
裏トウコさんが抜けちゃったからかなあ…。
…
裏…トウコさん?
「あーーーっ!!」
「どうした?」
「トウコさん、その、トウコさんを呼ぶ声ってどんなんでした?」
「どんなん…って…」
「ワタシの声?…だったような…気もする」
「それや〜っ!!!(がばっ)」
「わ!!(びっくりしたー)」