『瞳…』
□願い
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日付が、かわった。
『応援してます♪ご主人さま』
の声に見送られて、車を発進させる。
サイトー先生は、オフなので、朝まであの街で過ごすらしい。
何でも、作品ネタに、インターネットカフェで一気読みしたい漫画があるそうな。
…
郊外に入ると車はだんだんまばらになる。
助手席に、いないはずのトウコの体温を感じる。
…
おずおずと腕が伸びてきて、私の肩に触れる。
…
だめ、トウコ。事故っちゃうよ。
…
…
…家まで…待てない?
…
…
…
♪〜
♪〜
♪〜
…『トウコ』?
車を路肩に停め、携帯を開く。
『……』
「トウコ、どうしたの?」
『…すみません…』
「……誰?」
『ミズ…です』
…?