ゴ ー ス ト ハ ン ト
□ Psychedelic Heroine
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[ October day3 ]
頬を冷たい何かが触れた。
『ん…』
それを拍子に目が覚め、ゆっくりと目蓋を開けた。
目の前に飛び込んで来たのは無表情がよく映える整った顔だった。
ナルの手は俺の頬から額に移動した。冷たさが心地よかった。
「目が覚めたか?」
見るとぼーさんと麻衣、美樹さんにリンさんもいた。
どうやら座布団を枕にしてベースの畳の上に寝かされているらしい。
「気分はどうだ?」
ナルが聞いた。
『…最悪…』
「お水、飲めますか?」
美樹さんが言うが、頭を持ち上げられそうにもないので首を横に振っておいた。
「何があった?」
『襖の中で何か動いたと思ったら急にひどい臭いがして…こうなった』
「ひどい臭い?」
『何に例えたらいいのかわからないけど…あれはひどかった』
ナルは少し考えるとリンさんに言った。
「リン、ジョンと松崎さん、原さんを呼んでくれ」
「みんな呼ぶのか?」
ぼーさんが言った。
「はるがこの状態だから。とり憑かれた可能性もあるし、麻衣がはるの世話をできるとも思えない。代わりに霊視が出来る人間もいる」
つまり、ジョンは俺がとり憑かれていた場合に霊を落とせるように。綾子は俺の介護、真砂子は俺の代わりに霊視をするために呼ばれるというわけだ。
一人だけ霊能者としての扱いを受けていないが、この家の人に頼むよりは綾子の方が断然いい。ほら、俺って特殊だから。色々と。
「美樹さん、協力を頼む霊能者を何人か呼びますが、構いませんね?」
「はい」