ゴ ー ス ト ハ ン ト

□ Psychedelic Heroine
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「麻衣、お茶」

「はーい」

『手伝おうか?』

「じゃ、お願い」


こうしてまたSPRのメンバーとして働けるようになるとは夢にも思わなかった。

というか、一度現世に戻ったっていうのにまさかまたこっちの世界に帰ってくるなんて、誰が思うかよ。

ま、無事藍染も倒したし、一護は死神の力を失っちまったけど平和になったんだから、気がかりなことは何一つない。

一護の周りには織姫やチャド、石田もいるんだ。安心さ。



麻衣が湯を沸かし、俺がお茶の葉とカップを用意する。ナルの分と麻衣の分に俺の…と、リンさんは飲むかな?

ふとその時、オフィスの電話が鳴った。ナルから許可を得ると、麻衣は作業していた手を止め受話器を取った。


「もしもし渋谷サイキックリサーチです。あ、典子さん!お久しぶりです!…はい、はい…元気にやってます。礼美ちゃんは元気ですか?…良かったあ。あ、ナルに代わりましょうか?」


どうやら知り合いらしい。麻衣に言われてナルが受話器を受け取る。

麻衣はキッチンに帰ってきて嬉しそうな顔を浮かべながらお茶汲みを再開した。


『誰?』

「以前、調査を依頼してきた人で森下典子さんって言うんだ。典子さんの姪に礼美ちゃんっていう子がいるんだけど、すっごく可愛いんだよ!」

『へぇ。でもなんだってそんな人が電話を?どうせ調査は無事終了してるんだろ?』

「そのことについては聞いてない。ナルに代わってって言ってたから依頼だとは思うんだけど…」


電話が終わったのか、ナルは受話器を置いた。俺たちは四つのカップを持ってナルの方へ行くと、こう告げられた。


「麻衣、はる。調査の依頼を受けた。二日後に出発するから用意をしておけ」






人ならざる者 #1






とある駅で森下典子さん、のお兄さんの仁さんとその奥さんの香奈さん。麻衣の言っていた可愛い姪の礼美ちゃんと合流した。

なんでも調査を引き受けてほしいのは典子さんではなく典子さんの友人らしい。


「麻衣ちゃん!」

「礼美ちゃん久しぶり!」


麻衣と礼美ちゃんが感動の再会をしている間に俺たちも挨拶を交わしていた。


「家の方はもう問題はありませんか?」

「その説はどうも。うちの者どもが大変お世話になりました。私も中々家に帰れない身だったもので…助かりました」

言ったのは仁さん。

「本当に、お世話になりました」


そして頭を下げる典子さん。やっぱりナルには解決出来なかった事件なんてないんだよな。さすがと言うべきか。

関心してナルの横顔を眺めていたら気付いたのか目が合って、心臓が跳ねた気がした。


「では、少し遠いですが…ご同行お願いします」


駅に集合したというのも、なんでもその友人の家はどっかの田舎にあるらしく、こうして案内係として典子さんたちがわざわざやって来てくれたのだ。

ま、その友人としても見ず知らずの胡散臭い霊能者の団体がいきなり家にやって来られたんじゃ堪らないだろうしな。


「礼美、麻衣ちゃんと一緒に乗る!」

「こら礼美!わがまま言わないの」

『せっかくだから乗ればいいんじゃねーの』


言い忘れていたが、SPRはナルとリン、麻衣と俺にぼーさんも同行することになっている。

「じゃあこっちに乗るか?礼美ちゃん」

「うん!」

「すみません」

典子さんが申し訳なさそうに謝る。

「いいってことよ」


そういうわけでぼーさんの車には俺と麻衣、礼美ちゃんも乗ることになった。



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