ゴ ー ス ト ハ ン ト
□ Psychedelic Heroine
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麻衣の悲鳴にぼーさん、ジョン、安原さんは飛び起きた。
「な、なんだ!」
「麻衣さんじゃないですやろか」
「隣の部屋からみたいですね」
『行こう!』
「っと、待て!お前さんはこれを着ていけ」
言って渡されたのはぼーさんのジャージ。仕方なくそれを着て、俺たち四人は麻衣たちの部屋へ向かった。
血塗られた迷宮 #3
部屋に飛び込むと、麻衣は泣いていて、それを綾子と真砂子が宥めていた。
ぼーさんが一体何があったんだ、と聞くと。
「夢…怖い夢見た…」
「夢って例の夢か?」
「……だと思う」
「どんな夢だったんですか?」
「あたしが…殺される夢」
麻衣は顔を歪めながらも話してくれた。
「男の人が二人きて…変なタイル張りの部屋に連れていかれた。…そこで……首切られた瞬間、皮膚の上を…細い氷が走ったみたいな感じがして、血が……!」
「もういいよ。思い出させて悪かった」
そこにナルとリンが現れた。
ナルとリンが入ってきたとき、廊下にお手伝いさんのような人が横向きに立っていた。かと思えばいきなりこっちを向いた。目が真っ黒でとても辛そうな顔をしていた。
それから首から血を流し、そのまま崩れるように首が落ちた。
『うわ…』
リンが扉をしめる。どうせなら首が落ちる前にしめてくれれば良かったのに。
ナルは手に紅茶を持っていて、それを麻衣に渡した。
麻衣は紅茶の香りに落ち着きを取り戻した。
「大丈夫か?」
「…大丈夫。ありがとう」
麻衣も落ち着いたようで、男共は部屋へ戻ることになった。
ナルとリンが先に部屋を出てそれについて俺も部屋を出た。その瞬間だった。
“苦しい…苦しい…”
“助けて!”
“離せ、やめろおおお!”
“誰か………っ”
血の臭いと共に一斉に頭に入ってくる霊たちの声。痛み、苦しみ、恐怖。
そういったものが俺の体を侵食してきやがった。
『!』
やべ。足がフラつく。
倒れる!…と思ったのに目の前には誰かの胸が。
なんとか顔を上げるとそこにはナルの顔。
「しっかりしろ」
どうやらナルが抱き止めてくれたらしい。
後ろからぼーさんや安原さんが俺を呼ぶ声が聞こえる。
「急いで部屋に戻そう。リン」
「はい」
ナルの指示でリンがオレを横抱きにする。
オレはリンに運ばれて部屋に戻された。