夢小説
□馬鹿で真っ直ぐなアナタは。
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「−……でな!俺と政宗殿は互いに燃えるよぉぉぉおおな、熱き戦いをしたのだ…っっ!!!」
と、朝から私は幸村が、いつも話しに出て来る『まさむねどの』について聞いてみると…気がつけば空に月。
縁側にいつまでいたんだろ…私達。
どんだけ語られたんだろ。同じ事を…!
そして今ようやく、話しの区切りが着いた。
「…というのが、政宗殿なのだ!」
「へぇ…そーなんだ。」
私は半分眠気そしてもう半分は………
と、ふと思うと…
……あーー!押さえられないよ、コレ以上。
俯いてしまう。
急に私のもやもやした気持ちが溢れ出した。
「幸村………」
私は目の前の彼の名前を呼ぶ。
彼は語ったのを満足したのか明るい声で
「?どうされた?」
私の方を向く。
私は黙る。
「………もう一度聞くでござるか!?」
相変わらず明るい表情で言う。
私が黙っていると、幸村はまた話し出した。
「…あ!そういえばな!」
だから、
「政宗殿がまた……−」
違うって、
「−…この前は前回の戦以上に……」
そんな事、聞いてないよ。
「某はまた…心打たれた…−」
ねぇ…どっち?
衝動的に私は、
幸村に抱き着いた。
「…!!?」
彼はもちろん驚いた。
「……………。」
私は彼の胸に顔を埋めた。体温と、大きな心臓の音を感じた。
「…ど、どどどどどうささ、れた…?!!」
「……………」
少し悪戯に黙ってみる。
困らせてみたい。
「……ど、どうされたの…だ?!!そ、そそ某、そなたに何かした…のかっっ?!!」
彼は驚きのあまり先程から言葉が可笑しくなっている。
「だ、だだだ黙られていては…分からぬであろう…?!何か俺はしたのでござるか…っっ?!」
何か………
「………した。」
私はボソリとはっきり呟いた。
幸村は間抜けな言葉で返した。
少し冷静になったのか先程より心臓の音が小さくなった。
埋めた顔を、上げる。幸村の顔が近い。真っすぐな瞳が私の瞳と合った。
「………あたしは?」
「……??」
「………あたしと政宗殿、どっちにお熱なの?!」
「今の幸村の話し、朝から、ずっと…ずっと…政宗殿の話しじゃないの!」
私が確かに聞いたのがいけない。
でも、こんなに嫉妬心を抱くだなんて思わなかった。
「………好敵手の話しで、朝から夜まで話せるなら………」
「私の事を朝から夜まで話してよ…!」
半分眠気、半分ヤキモチ。
我が儘で自分勝手で感情的な私を許して、
「…私の事、話してよ」
馬鹿で真っ直ぐなアナタは。
(私にお熱じゃなきゃ厭なんだから)
−−………
「お、俺は…そなたに………お熱で………ござるよ。」
そう照れて言うと私の背中に腕を回した。
「明日は…団子食べながら話そうよ……。」
「う、うむ………!」
彼の手の温度は熱が篭っていた。
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